購入2日で読み切ってしまった単行本。
8号抄紙機、通称「8マシン」と言うもうじき50歳の古い抄紙機をメインに取り巻く話。
8号抄紙機、実は知らずに自分たちに関わりを持っていた。書籍等で微塗工紙や中質紙を中心に生産が行われ、文庫本では冲方丁「天地明察」(角川文庫)、東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」(光文社文庫)、単行本では池井戸潤「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社)、桜木紫乃「ホテルロワイヤル」(集英社)、コミック用紙では「ONE PIECE」、「NARUTO-ナルト-」など取り上げたらきりがないほど。
日本の出版用紙の約4割を担う。
また、同工場のN4マシンは「Can Can」等出版系のグラビア用紙。教科書や参考書の用紙抄造も。
震災の状況の復旧作業の詳細、日本製紙野球部の動向等不思議な巡り合わせと感動が一杯詰まっている。
紙についての、認識もがらっと変わる。文庫の紙の色のこだわりと特徴。
例えば、講談社が若干黄色、角川が赤、新潮社がめっちゃ赤なんて!
この本そのものが、8号抄紙機からの紙で出来ている。巻末に「使用紙」なんて記されている本なんてこの本をおいて無いと思う。